すれ違う恋の行方
『そういや、水瀬くんは何組なの?』
「あー、まだ掲示板見てきてねぇ」
『何やってんの…。さっさと見てきなさい』
「へいへい」


あたしがそう言うと、水瀬くんはめんどくさそうに答えた。
そんな水瀬くんを置いて、あたしは一人ドアのほうへ向かう。



『じゃぁ、またどこかで会えたらいいね、水瀬くん』
「何その言い方?」
『なんでしょう?』
「あっ」
『何?』


水瀬くんは、急に思い付いたように、あたしを呼び止めた。


「俺のこと、春樹でいいよ。
 水瀬って呼ばれ慣れてなくてさ」


そう言って、水瀬くんは屈託なく微笑んだ。
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