すれ違う恋の行方
「美鈴~?」
『何?』


帰りのHR中、途端に声をかけてくる春樹。

あたしは鞄に荷物を詰めながら、春樹の問いに答えた。


「今日このあと暇?」
『まぁ、特に予定はないけど…』
「ちょっと付き合ってくんねぇ?」
『んー』

「じゃぁ、終わったら屋上来て!」


それだけ言うと、春樹は携帯をいじり出した。


屋上来て、って…一緒に行けばいいのに、なんでわざわざ別々に行くんだろう?


あたしはそんなことを考えながら、いつもの訳の分からない担任の話を聞き流していた。
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