すれ違う恋の行方
「っつー…」
『痛い?』
「当たり前!アイツ、本気で殴りやがった」

『いや、本気で殴ったら、春樹の頬の骨、折れてたと思うよ。
 確か黒帯だって言ってなかったっけ?』

「そういえば…」


それを思い出した途端、サーッと青ざめる春樹。


「やっぱり秀を怒らすことだけはやめておこう」

『そうだね』


あたしはその言葉に笑った。


多分、秀は普段温厚なだけ、怒ったら物凄く怖いんだと思う。

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