ショートケーキの王子様
殴ってやりたいと思うときだってある。
一通り掃除をし終わったりんは、
カーテンで仕切られた翔斗のベッドをのぞきこんだ。
翔斗は横にはなっていたが目は開いていた。
「起こしちゃいましたか?」
掃除中の物音で起こしちゃったかと思って聞いてみる。
「ここ、どこ?」
私の心配は?!
「保健室です」
りんは内心イラつきながら病人なのでと我慢して続ける。
「幼馴染みの人が連れてきましたよ」
「そっか…なんでお前がいんの?」
「保健委員会の当番で」
「あっ、そう」
何なんだ、このイラつく感じ。
看病してあげんてんのに。
まぁ保健委員だからだけど…
「大丈夫ですか? 体」
「見ればわかんだろ」
ハァ! 馬鹿にしてるだろ、絶対!
あー、もう!
「あっ、そうですか。
じゃあ出ていってください」
そう言った途端、翔斗の眉がピクッと動いた。
「あー、わかったよ」
体を起こす翔斗。
あっ……
翔斗の顔を見たりんは少し驚いた。