ショートケーキの王子様
「無理してきた理由はそれだけですか?みんなに気に入られようとして無理してきたんじゃないんですか?」
「あいつに聞いたのか?」
突き刺さりそうな視線でりんを見つめてくる。
「はい…」
「まぁ、そうだよ。人に気に入られようとして……いや臆病なだけだ……
人に嫌われるのが怖いから」
熱で休んで、嫌われる?
「わかりません。休んだだけで、嫌われるって何ですか?」
少しだけ強く言ってみる。
だって本当にわかんなかったから。
顔を上げた翔斗はりんに向かって、
不適に口角を上げる。
「お前にはわかんねぇだろうな。
いつもひとりぼっちのお前には」
いつもの時と違う、
冷酷な声___
いつの間にか握っていた拳が震える。
本気で怒っているときは、
ただ"コイツを殴ってやりたい"そういう類いのものしかない。
息を吸い込み、
心に溜まった怒りをぶちまけようとしたとき。
勢いよく保健室の引き戸が開いた___