ショートケーキの王子様
「あの!………」
振り向く翔斗。
一瞬、目を泳がせたが無表情に戻る。
「私は悪くない!
でも嘘はつきました………
本当に嫌いなのは
今のあなたです」
目をつむり一生懸命に伝える。
「……好きなのは
保健室のときのあなたです!」
分かりづらかったかな。
目を開けると、そこに翔斗の姿はなかった。
失敗か………でもスッキリした。
初めて本当のこと言った気がする。
「忘れ物しちゃった。ごめん、先に行ってて」
翔斗の声がした。