ショートケーキの王子様
飛び跳ねていた心臓が止まる。
わかってるよ………別に。
「おい。謝れよ」
「えっ」
振り向くと翔斗の後ろ姿があった。
「だから謝れ」
「謝りたくない……」
言葉に反して、
心臓が再び跳ね始める。
「じゃあ俺も謝らねぇ」
「なにを?」
「ひとりぼっちって言ったこと」
「あっ…………」
一応罪悪感とかあったんだ。
「別に謝らなくていいですよ。事実だし」
「だから謝らないって言ってんだろ」
「はいはい」
もういいや。
ひとりぼっちかもしんないけど、
今が楽しいから。
でも謝んないけど。