ショートケーキの王子様



相合い傘状態で校門に向かう途中、あの校舎脇を通ろうとしたとき




「___きゃっ」



翔斗に腕をグイっと引っ張られ、校舎脇に連れていかれる。




「えっ!なに!」



「しっ!」



翔斗は人差し指を前に立てる。




「なに?」



「俺は謝らねぇからな」



「は?」



「ひとりぼっちのこと」



「あ~だからもういいって言ってるじゃないですか」



「お前はもうひとりぼっちじゃねぇからな」



「どうしてですか?」



「ハァ!?」



「いやだって、友達もいないし、恋人ももちろんいない。

あっ家族がいるってことですか?」



「違ぇよ!……………じゃあ俺はなんなのお前にとって」



「えっ…」



友達?恋人?家族? 好きな人。




「俺がさ、毎回毎回告白してくる奴に俺の本性見せると思ってんの?」



確かに。
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