毒の石


透夜の疑問にわかりやすく説明してやると透夜は難しい顔をした。



「アンブルってフランス語だよね?クリムゾンは英語だし…琥珀は日本人じゃないの?」



まさかどこの国の言語か当てられるとは思わなかったので目を見開いて透夜を見つめた。



「おまえ結構頭良いんだな。見直したぞ」



思わずそんなことを言うとムッとした透夜。



「俺のことバカだと思ってたの?」



いや、その辺のことまでは聞いてなかったから未知数だとは思っていたが…。



「フランス語がわかるとは思ってなかったんだよ」



苦笑して頭を撫でてやると怒った顔を必死に保とうとする透夜。



ちょっとキュンとした。



「あたしはクウォーターなんだよ」



「だからそんなに日本人離れした整った顔なんだね」



先程の質問に答えると納得したように言う透夜。



「あーそうかもな」



確かに日本人にはない彫りの深さとはっきりした目鼻立ちではある。



それを隠すためのウィッグやらでもあるわけで。



透夜の言うことはあながち間違いではない。



「でも銀狼のときの危険な感じと琥珀のときの危うい色気ってクウォーターだからってわけじゃないよね…」


「あー…」


その理由には思い当たる節があるので思わず言葉を濁す。



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