毒の石
バッと前を向くといつの間にやら場面は変わり、先程の女の子は少し成長して大人っぽくなった顔を歪めて泣き叫んでいた。
「……っ!!……っ!!ゃ…いや…ずっと一緒って…言ったのにっ…!」
女の子の目線を辿っていくとそこには女の子同様成長して大人っぽくなった男の子が腹から血を流して倒れていた。
「はははっ!これでやっと……が手に入るっ…!!」
二人の周りには数人の暴力団らしき男たちが立っていた。
その中央に立ち、銃を構えていた男がそう大声で言ったあと、男の子に泣き縋る女の子を無理矢理立たせた。
「いやっ!!放してっ!!放してよ!!」
「なにをそんなに嫌がる?……はあいつに無理矢理付き合わされていたんだろう?それを俺が解放してやったんだ。本当に一緒にいるべきこの俺が。さぁ行くぞ。おまえら、車を出せ!」
男の力に適うはずもない女の子はただひたすら嫌だと、放せと泣くことしかできなかった。
無理矢理車に乗せられても尚泣き続ける女の子に痺れを切らしたらしい男は女の子を何度か殴りつけた。
顔と腹以外の、腕や背中を。
果てには助手席に座り煙草を吸っていた男から煙草を取り上げ、女の子の腕へ何度も押しつけた。
その度に、女の子は悲鳴を上げた。
そのうち、あまりの痛みに耐えきれなかった女の子は意識を失った。
そんな女の子を、狂った男は愛おしそうに眺めていた。