毒の石
「だ、めだ…拒むな…大人しく、受け入れろっ…!」
あたしの声など届かないとわかっているのに、言わずにいられない。
その先になにが起こるかわかっているから。
拒絶の言葉に激昂した男が手に持っていた鞭を死なない程度に女の子に打ちつけた。
何度も、何度も。
女の子は激痛に悲鳴を上げる。
やめて、と
痛い、と
ごめんなさい、と
女の子は何度も謝るが男の気が済むまでは終わらない。
「だから、言ったのに…!」
あたしの叫びは虚しく響くだけ。
目前では力なくベッドに倒れた女の子を、血塗れになった鞭を持ちながら愛おしそうに眺める男。
「くそったれ…!あんな、鎖如き…!」
今なら壊せるのに、そう思わずにはいられない光景。
「今なら…今のあたしなら…!」