毒の石
シャワーを浴びながらそう考えたあたしは仕方なく編入試験の格好を少し崩して学校に行くことに決めた。
さっと全身を洗って風呂を出、水気を拭き取る。
その間も格好のことを考えた。
いくらなんでも規定通りの制服とおさげは悪目立ちするだろう。
おさげはやめてフィッシュボーンに、制服は規定のスカートに似たなんちゃってがあった筈。
長さは…
少し短めにするか…。
ブレザーは仕方ないからそのままでYシャツは第一ボタンだけ開けて…。
前髪は目を隠すように留めるか…。
眼鏡はサイズを小さくして少し可愛らしい眼鏡に変えてカラコンは茶色にして…。
ペタペタと裸足に裸で部屋まで行き、考えた通りの格好をする。
姿見の鏡で全身をチェックして少しの手直しをする。
「まぁ…こんなもんか…」
鏡にはどこにでもいる普通の女子高生という感じの自分が映っていた。
これなら不良校にもいそうだ。
どこかの良いとこの学校に落ちてしょうがなく不良校に通う子って感じ。
これでいい。
これで雑用やらを押しつけられからかいの対象にされる子の出来上がりだ。
我ながら上出来。
そんな弱いものイジメをして楽しむまだ知らぬ奴らの顔を想像して顔が弛む。
「せいぜい好きにするといい…」