毒の石
壱ノ弐
「まずは職員室か…」
学校近くの店までバイクを飛ばしてきたあたしは店にバイクを停め、学校へ向かった。
そこは知り合いの店。
許可は取ってある。
大事なバイクを撤去なんぞされたらあたしはキレるからな、対策だ。
校門前でボソッと呟きながらそんなことを考える。
何故校門前で止まっているのかって?
ほら、よくあるだろ?
転入生、もしくは新入生が遅れて学校に行くと門が閉まってる。
これは飛び越えるしかない、みたいな。
あれだよあれ。
マジ閉まってる。
それはもうがっちりと。
「鍵までしちゃってまぁ…これじゃ門開けて入ることもできねぇじゃねぇかよ…」
飛び越えるなんて誰かに見られるような馬鹿な真似はしたくないため少し考える。
実際屋上と生徒会室から誰かこっち見てるしな。
「これは…木登りして中に入るのも危ねぇな…」
だって多分誰か一人は
なにあの女おもしれぇ
とか言って近づいてくる。
暴走族はそういう輩が多い。
生徒会室はNo.1の秘龍(ヒリュウ)、屋上はNo.2の闇鬼(アンキ)の連中。
それくらい調査済みのあたしは極力あいつらに目をつけられることは避けたい。
いろいろ面倒だから。
「あ…確か裏門あったな…」
思い出したあたしは裏門へ歩き出した。