先輩。

だからびっくりした。




「あたしは、慎矢先輩じゃなくて…斗馬先輩のことが…好きでした」




俺のために別れたのだろうか。



本能的に、キスしていた。

髪を触っていた。



でも、一希のことを思い出したら『だめだ』と思った。



「ごめん」


なんで一希を優先させたんだろう。


自分で思ってる以上に、『傷つけさせたくない人』なのかもしれない。


一希も、安達さんも。


だからどうしたらいいのか分からなかった。

< 108 / 131 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop