先輩。
「へー。あみバスケできるんだ。意外〜」
「意外ってなんですか!!できますよー」
あれ以来、慎矢先輩は下の名前で呼んでくれるようになった。
まだまだ慣れなくて、呼ばれるたびにドキドキしてるけど…。
今日は冬休み明けで学校が半日。
まだ部活がないから、一緒に帰る約束をした。
話したいから、自転車を押して歩いて帰る。
もちろん、ずっとじゃなくて半分ぐらい。
「慎矢先輩はなに出るんですか?」
「サッカーだよ」
「じゃあ、教室から見ますね!」
「じゃあ頑張んないと」
ははって笑う先輩が、かっこいい。
「はい!頑張って下さ…」
ヴー。ヴー。
あ、あたしだ。
「すいませ…あれ。斗馬先輩?」
なんで電話なんて…。
応答を押して電話に出る。
「もしもし」
『あ、ごめん…。急に…』
「いえ、大丈夫です」
『あのさ…』
「…っあ!?」
「ごめん、あみ今、俺と一緒にいるんだ。邪魔、しないで…?」
「ちょっ…慎矢先ぱ……んっ」
先輩って、急に強引になるな…。
『ごめん』
プッ。
ツー。ツー。