先輩。
【斗馬side】
プルルル…。プルルル…。
俺…なに電話なんてかけてるんだ…?
『あみちゃん球技大会なに出るのか聞いてよ〜、斗馬ぁ〜』
一希のあんな言葉間に受けて…
ほんと何やってんだ。
だいたい『あみちゃん』って何だよ!
『もしもし』
あ、出た。
「あ、ごめん…。急に…」
動揺すんな、俺。
『いえ、大丈夫です』
「あのさ…」
なんでこんなことで電話したんだ?
よく考えたらメールでいいじゃん。
『…っあ!?』
『ごめん、あみ今、俺と一緒にいるんだ。邪魔、しないで…?』
『ちょっ…慎矢先ぱ……んっ』
どくんっ。
「ごめん」
プッ。
ツー。ツー。
……聞きたくなかった。
認めたくなかった。
あの2人が、付き合ってることを。
一希のためなんかじゃなく、自分のために。
痛い。
涙が出そうだった。
もう分かってる。
自分の気持ち。