恋月
蒼い空
「アオちゃん」
「たっちゃん。何?」
「早く、戻ろうよ?」
「私はまだここにいる。たっくんは戻ってていいよ。」
「アオちゃん...」
親の目を盗んでこっそり見上げる星空。
「アオちゃんが残るなら、僕もいるよ。」
「いいよ、たっくんは戻りな?」
「大丈夫だよ。僕、男の子だし。」
「........ふふ、そうだね。」
「それに........、」




『この空の色、アオちゃんみたいだから。』

あの日の言葉........、あなたは覚えているのかなぁ?
私は、一度も忘れたことがないよ。
空気が澄んだ、透明感のあるブルーに煌めく星々。
どういう意味なのか、謎のままだけれど。
あの星空を、綺麗だと。気に入ってきたわたしにとっては、最高の誉め言葉だった。

あの、蒼い空を忘れない。
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