恋月
眠い午後の授業を終えた。
「やっと終わったぁぁぁ」
「ぶ、葵衣目が半目になってる」
「タクト!...だって、眠いんだもん」
目をごしごしとこする。
「赤くなるからやめとけ」
「そだねぇ」
パッと手を離す。
「あ、そだ、葵衣。」
「ん?」
「今日、なんか用事ある?」
「あ、今日はね、夏紀とみ、ミオと買い物に行くの........!」
「ミオ?」
「う、うん!も、森下、美桜ちゃんっていうの!」
「ふぅん、よかったじゃん」
「........うん!」
タクトとは、大体いつも一緒に帰っている。
でも、今日は。
夏紀とミオと出掛けるから、別々。
たくとには悪いけれど、少しワクワクしている。
「青山ー今日カラオケ行くけどいかね?」
「おー、いーよいこいこ」
「タクトも、出掛けるんだ?」
「おう。葵衣もいねーしな」
「うん、そうだね」
「なにかいに行くの?」
「んー、ネイルとか、かなぁ?」
「え!?お前、ネイルすんの?マジ!?」
そういって、満面の笑顔でタクトは笑った。
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