恋月
呼び止められて、振り向く。
「えーと、」
確か。コイツは........
「森下?」
「覚えててくれたんだねー、嬉しいなぁ」
「なに?どした?」
「ふふ、んとねー」

『私、青山君のこと好きなの。』

好き。
好き?
好きってなんなんだろう?
「森下」
「え?」
「好きって、なんなんだろうな?」
「........分からない、けど。私は、青山君の隣にいたい。そういう風に、あなたがすき。」
隣に、いたい........
「青山君が好きを知らないなら........、私が、届ける。」
森下は。
俺のどこが好きなのだろうか。
どうして、好きになってくれたんだろうか。
「私はっ、青山君の!一番になりたい。」
泣きそうなくせに、それを必死で堪える森下。
「いいよ。付き合おっか。」
「!いいの........?」
「おう。」
森下と付き合えば、好きが分かるんだろうか?

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