恋月
「ついたー」
ついた場所は、小さな、駄菓子屋さん。
「ありがとうねぇ、そうちゃん」
「はいよっ」
ニコニコと笑顔で返す柳。
「そーちゃぁぁぁん、洗濯物が飛んじゃって~、とってー!」
「はぁぁぁ!?なにしてんの!?」
そう言うと、柳は、こちらを向いた。
「あ、あのぅーやざ........」
「ふふっ、いっていいよ」
「ほ、ほんとごめんー!!」
ビュッと柳は、飛んでいってしまった。
お婆ちゃんと二人で取り残される。
「お嬢ちゃん、今日は、ごめんねぇ、ありがとうねぇ。」
「い、いえ、そんな。」
私はなんもしてないし。
「助かったわぁ。そーちゃんのお友達があなたみたいなこで良かったわぁ。お名前、何て言うのかしらぁ?」
「や、矢崎葵衣です」
「ヤザキ、アオイちゃん。いいお名前。そうだ、葵衣ちゃん、すきなの持ってきなさい。」
「え」
「お手伝いの、お礼。ショボくてごめんねぇ。というよりも、今のこのお口には合わないかしらぁ?」
「いえ、そんな!」
「そぉかねえ?じゃぁ、すきなの、もっておいき。」
「じゃ、じゃぁありがとうございます。」
大好きなふがしの棒を貰うことにした。
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