恋月
ポン、と瓶を渡される。
「あ...ありがとう!........な、なにかあった?」
おそるおそる顔をあげる。
「あー........ははっ、なんでもない。うん、大丈夫。」
嘘。
声、かすれてるじゃん。無理、してるんじゃん。
「あ、あんぱん!食べる」
「え?」
「えっと。あんぱん、あるから........食べよう」
「........俺も?」
「え、嫌いだった?」
「そういう訳じゃないけど........」
「じゃぁ、食べよう。あ、甘いもの食べると元気出るし。」
「........ぶはっ。うん、ありがとう。貰うよ。」
「うんっ」
袋からあんぱんを出し、はい、と渡す。
「まるまる1個ももらえないよ」
「え?いいよ!食べて」
「んー、じゃぁ........」
そういうとかれはあんぱんを半分にし、ひとつ分けてくれた。
「あ、ありがと!」
「もともと、お前のだよ。こっちこそありがと」
「うん!」
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