前を見すえて
「がんばれ!藍。」



雅也が手を振りかざす。





私も手を挙げる。



「あーっ!




采口 藍さんですよね!?


わたし、ファンなんです!


初めて見たとき、すっごくきれいで凛としてて


惚れたんです。


采口さんを見てから!


長距離を始めたんです!


いつか、采口さんみたいに走りたいって思ってたんです!」






一気に言い終えてからその子はスタート位置へと行く。






あの子も走るんだ。





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