前を見すえて
「新羅のことをあきらめろなんて言わない



けど


いつまでもひこずるのはどうかと思う」




新羅がいなくなってから


もう1年経ったのか_________?



はやいもんだな


俺は新羅が死んだのは昨日のことのように
思い出せるってのに。





「んだよそれ。


俺は新羅のことを忘れなんかしねーよ。
ずっと

新羅のために生きていくんだ」




俺のまっすぐな思いを


朱羅はあざ笑う



「ふ・・・なにそれ。


男なんてバカばっかじゃん。
それが新羅の幸せだとか思ってんの?


新羅はね、あんたに幸せになってほしんだよ??」




「ざっけんなっ

これが俺の幸せだ」




「はぁ?

芳は幸せかもしれないけど
新羅は違うよ!


芳に自分を忘れてもらって

違う人と歩んでいってほしぃんだよ」



「お前に・・・・・お前に何が分かるんだ!」




「わかるし!


姉妹・・・だから。」







朱羅。


お前の後ろに新羅が見える。



俺は朱羅じゃなく、新羅に問う





「お前は俺に思われてるのは迷惑なのか?

おまえは俺に忘れてほしいのか?」



朱羅はまっすぐに俺を見た。


でも、その瞳は新羅のもののように思う。






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