デスゲーム-ある殺人鬼からのPCメール-

明らかに、“被害者チーム”の人数よりも多い数の名前があった。

どうしてか、被害者チームの全員の間に、それぞれ知らない名前が書かれている紙が置かれていたのだ。

「…わ、私の隣…誰この人……」
恐怖に怯える表情のリコ。
アヤの方を向き、顔を強ばらせるリコは、体の震えが止まらないといった様子だった。

リコの席は、アヤの1席分空いた隣。
アヤは、リコと自分の席の間にあった紙を確認した。

「……“ソン”。誰だろう。」

アヤとリコの間には、“ソン”という男が来るらしい。
紙にはしっかりと、名前と性別が書かれているので一目瞭然。

「…ね、ねぇアヤさん。この人“被害者チーム”じゃないよね……?」
「…うん、そうみたいだね。」
アヤは比較的落ち着いた声で、リコに返した。



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