うそこい
保健室の真っ白なカーテンは、秋風に揺られてはためいている。

そこのベッドに倒れこんでいる、私と、波多野君__。

素晴らしい沈黙が、続く・・・。

そりゃそうだ・・・何せ、ベッドから落ちた相手を起こそうとしたら、そのまま、引っ張られ、道連れにされたのだ。

痛い__、その、何の感情も持たない漆黒の瞳・・・。

背中にピシっと、悪寒がはしる。

でも、それと同時にムズムズする。

何なんだろう?この感覚は__。

と、こんな感じに、思考を、ありとあらゆる方向に伸ばしていると、

「ねぇ、君さ、俺の彼女になってくれない?」

え・・・・・・・・・・・?


「女除けのために・・・」

あ、あぁ‼そういう事か、ですよね~、私なんて眼中にないですもん__

でも、嘘でも、仮でも、波多野君の彼女になれる。

今の私には、これが、自分を苦しめる、なんてこと、分かっていなった。

だから、

「よ、喜んで‼」

そう、答えてしまった__


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