好きの気持ち
お母さんはすぐに承諾してくれて、翌日から特訓が始まった。球を打つ前にフォームを作らなければいけない。鏡の前に立たされて何度もスイングをする。

やっぱりトワの才能は確かで、私は敵わなかった。拗ねたって訳じゃないけど、諦めようかなと思い始めていた。

そうそう。若者の名前は、安西繁晴さん。「シゲちゃん」って呼ぶことになった。


私はシゲちゃんの元へ一人で行った。

「卓球…やめたい。」

「え?」

「全然上手くならんけぇ。」

シゲちゃんの前だと、標準語を使うのだがこの時は感情がこもってつい方言が出た。

私はシゲちゃんの返事も聞かずに走って家に帰ってしまった。
< 3 / 5 >

この作品をシェア

pagetop