colorful*love
空気のような存在

莉依菜×礼央



朝……
カーテンの隙間から覗く
眩しいくらいの日差しに目を細める
重い体を起こし、窓を開けると
微かに、まだ冷たさを含む春風が部屋の中に流れ込む
その風が頬に触れる度、まだ眠気の残る体に刺激を与える


大きく、肺いっぱいに空気を吸い込み
大きく大きく深呼吸しながら、体を伸ばす


こうして、私の1日は始まる


「よしっ!!!!」


顔を洗い、歯を磨き
腰ほどまである栗色の長い髪を二つに分け
耳の下で緩く二つ結びにする。
ゆる巻きにし、ゆるふわおさげの完成!!

ビューラーで睫毛をカールさせ
透明マスカラでカールをキープ
薄ピンクの色付きリップを唇に乗せて完成!!

指定されているブラウス、
その上に薄いグレーのセーターを着る
校則の膝下丈よりも、随分と短いスカートを履く

全身鏡に映る自分を見つめる


「オシャレって楽しい!!!」


女の子に生まれてよかったー♡


ふんふん♪
と鼻歌を歌いながらリビングへと続く階段を降りる。


今日の朝ご飯はなーにかなぁー♪


「まま、おはよー♪」


「あら、おはよう!!今日は早いのねー!!」


「うん♡お腹へったー!!」


「はいはい。今用意するから、礼央くん起こしてきてくれる??」


目玉焼きを作りながら
面倒くさい事を頼んでくるママ。


「えぇーー……。」


礼央ってのは、あたしの幼なじみで
うちの隣りの家に住んでるの
両親の仕事の関係で、一緒には暮らせないみたいで
今、隣の家にたった1人で暮らす礼央。


そんな礼央の事が心配なのか
朝ご飯、夜ご飯はもちろん
お昼のお弁当まで、うちのママが作ってあげてるんだ。


毎日、毎日
食事の度に当たり前のように食卓にいる礼央。
学校でも、同じクラスだし。
終いには、そのうち
うちで暮らしなさい
なんて事にならないか、不安で仕方がないのだ。

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