colorful*love


外に出ると、ジリジリと暑い日差しが容赦なく照りつける


本当は日焼けしたくないから、上もジャージ着たかったんだけど…


まぁ、忘れちゃったんだから仕方ない。


いつもよりも念入りに日焼け止めを肌に馴染ませ
焼けませんよーに、なんてぶつぶつ言いながら授業の始まりを待っていた。


グラウンドの階段に腰を下ろし、侑李と暑いねーなんて言いながら談笑していると


どこからともなく、ボールが飛んできた


「うわっ!!!」


幸い、私達には当たらなかったけど
ボールを拾いにきた男子が、物凄く申し訳なさそうな表情で謝ってきた


驚かせて本当にごめん!!


と、何度も何度も。


「別にいいよ‼当たった訳じゃないし!!ね、侑李!!」


「うん、びっくりしただけだから‼」


本当にごめんと、再度謝りながら拾ったボールを手に持ち、男子の集団の中へと走っていった。


「…男子はサッカーか」


「みたいだね…」


視線の先には、コートの中で一際目立つ
礼央の姿


誰よりも早いドリブル


的確なパス


豪快なシュート


小さな頃から、運動だけは誰よりも上達の早い礼央だった。


それは、今も変わらない。


バスケット、バレー、野球


どんな種目の時だって、女子の歓声を独り占めしちゃうんだもん。


確かにスポーツしてる時は、いつもより少しだけかっこいいかもね。


少しだけね。


普段はただの変態なんだから。

< 12 / 13 >

この作品をシェア

pagetop