colorful*love
外に出ると、ジリジリと暑い日差しが容赦なく照りつける
本当は日焼けしたくないから、上もジャージ着たかったんだけど…
まぁ、忘れちゃったんだから仕方ない。
いつもよりも念入りに日焼け止めを肌に馴染ませ
焼けませんよーに、なんてぶつぶつ言いながら授業の始まりを待っていた。
グラウンドの階段に腰を下ろし、侑李と暑いねーなんて言いながら談笑していると
どこからともなく、ボールが飛んできた
「うわっ!!!」
幸い、私達には当たらなかったけど
ボールを拾いにきた男子が、物凄く申し訳なさそうな表情で謝ってきた
驚かせて本当にごめん!!
と、何度も何度も。
「別にいいよ‼当たった訳じゃないし!!ね、侑李!!」
「うん、びっくりしただけだから‼」
本当にごめんと、再度謝りながら拾ったボールを手に持ち、男子の集団の中へと走っていった。
「…男子はサッカーか」
「みたいだね…」
視線の先には、コートの中で一際目立つ
礼央の姿
誰よりも早いドリブル
的確なパス
豪快なシュート
小さな頃から、運動だけは誰よりも上達の早い礼央だった。
それは、今も変わらない。
バスケット、バレー、野球
どんな種目の時だって、女子の歓声を独り占めしちゃうんだもん。
確かにスポーツしてる時は、いつもより少しだけかっこいいかもね。
少しだけね。
普段はただの変態なんだから。