colorful*love
ほら、私だって年頃の女の子な訳だし。
同じ年の男子と同じ屋根の下に暮らすなんて
想像しただけで恐怖だもん。
「ブツブツ言ってないで、早く礼央くん起こしてきてよ!!あの子中々起きないんだから!!」
「………面倒くさいよ~」
「…起こしてきてくれたら、食後にアイスを食べる事を許可します」
アイスっ!!!!!!?
「起こしてきまーす!!!!!」
「よろしくね~♪」
勢いよく玄関を飛び出し、慣れた手つきで鍵のかかった扉の鍵を開ける
子供の頃から何度も遊びに来たこの家
いつものように、礼央の部屋へと続く階段を駆け上がる
少し開いた扉の向こうから
規則正しく聞こえる寝息
そーっとドアを開くと
ベッドの上で気持ちよさそうに眠っている礼央
の姿が目に映る
今まで何度も何度も何度も上半身裸で寝るのはやめて!!!
って、言ってきたのに
今日も相変わらず上半身裸の礼央。
目のやり場に困るんだよ。
たった一枚着てくれれば済む話なのに
礼央は頑なに上半身裸を貫いてくるのです
まぁ、今そんな事を言ってる場合ではない
一刻も早く、この寝坊助を起こさなくちゃ!!
「礼央ー!!起きて!!」
シーーーン………
むぅ……………
毎度の事ながら、礼央を起こすのは大変だ。
中々起きてくれない。
そして、寝起きが究極に悪い。
この間、うちのパパが起こしに来たら
寝ぼけた礼央に関節技かけられたとか。
あの時は、お腹がよじれる位笑ったなぁ。
「礼央、朝ご飯出来るよー!!」
ねぇねぇと露わになった胸板を揺さぶる
その時
グイッ
「うわっ!!!?」
「………っん~……」
揺さぶっていた手を勢いよく掴まれ、
寝ている礼央のベッドへ引きずり込まれてしまった
両方の腕によって、力強くぎゅーっと抱き締められてるこの状況
目の前には、礼央の胸
トクンッ、トクンッて音が今にも聞こえてきそうな程の距離
「っちょ、れお~!!起きてよ~。」
押してもビクともしないその体
顔を上に向けると
すぐそこにある礼央の顔
こんなに近くで礼央の顔を覗くのは初めてだ
長い睫毛……
私より長いんじゃないかな……
スッと筋の通った鼻に
少しだけぽってりした唇
自然と顔に熱が集まってくるのが分かる