朝、起きたら5人の男の子と一緒に監禁されてました。

「フフッ、弱いなぁ……」

そう呟いた声は誰にも届かない。

思い出したいけど。

思い出したくない。

そんな自分がもどかしい。

そして──────。

私達には、境界線があると思う。

それは、長い長い距離で。

私だけが左の方にいて、隆太くん達が右の方にいる。

私は、いつ右側の世界に入れるんだろう。

「独りぼっちなんて…………寂しいじゃない。」

記憶が戻れば、私は皆の世界に入れるのかな。

……そう思うと、記憶を無くす前の私が羨ましい。

寂しいのは嫌いだから。

早く、記憶が戻れば…………。

思えば思うほど、不安は積み重なっていく。

「っ」


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