冬のアイスクリーム
あれは四年前。
俺が大学に入学して半年ぐらい経った頃。

所属していたサークルの女の子に急に告白された。
確かに仲は悪くはなかった。
高校から真面目に人と付き合ったことがなかったからか興味本位で付き合い始めた。

それこそ最初は「愛してるよ」「かわいい」そんなことを言っていた。
けれどその甘い言葉を吐くたびに、俺の心は反対に自分に対する憎みが増していた。
結局は最初からわかっていたんだ。
好きってこういうことじゃないって。

だから別れを告げた。約半年の付き合い。
理由は" もう好きじゃないから。"
また嘘。

「最初は好きだったんだ、けど段々女じゃなくて前みたいなサークル仲間としてしか見れなくて。だからさよなら。」

「そっか……最後にひとついいかな?」

「うん。」

「付き合ってわかったことだけど、優くんっていつも作ってるよね。悪く言うわけじゃないの。ただ一緒にいると常にどこかか私がいかに彼女らしく喜ばせることができるかっていう扱いしかされてないようなきがしたの。私は単純に愛してくれればそれで良かったよ。隣にいるだけで良かったよ?」

そう言って彼女は「じゃあね。」といって哀しみのまじった笑顔で去っていった。

俺ってうそついてなにをしたいんだ?
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