冬のアイスクリーム
その出会いからしばらく会わないな、と思っているうちに高校3年生になった。
もう会わないと思っていた。
けれど神様はチャンスをくれた。

受験生になってから始発電車を使うようになり、そこでまた彼を見つけた。
本当に嬉しかった。
彼は相変わらず本を読んでいた。

何度声をかけようと思ったことだろう。
何を読んでいるんですか?
朝早いですね!
いつも同じ電車ですよね!
考えは浮かぶ。けれど口にはできない。
だって私臆病。
無理。
見てるだけでいい。
今の私にはそれだけで十分。
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