裏ヤン先生に愛されます
「お母さん…?お父さん…?」
「あいちゃん…、見たら哀しくなるだけや」
「奏平、嘘って言ってよ…ねぇ」
涙腺が壊れたように、涙があふれ出た。
「何で…?嘘だよ…こんなの」
「仕事場が火事になったそうや」
大好きだったのに。
会えなくても、本当に大好きだったんだよ。
ずっと待っていた。
そして、あたしはその時ようやく分かった。
センセーが愛する人を失った瞬間の痛みを。
こんなにも、目の前が真っ暗になるんだね。
「いやぁ!!!やだよ!あたしを置いていかないで!!!」
「置いていけへん!俺がおるやろ!!!ずっと一緒におるから!」
奏平が痛い程に抱きしめてもらって、落ち着いてきた。
「あいちゃん…、大丈夫や。お兄さん今、着いたみたいやで」
振り返ると、絶句したお兄ちゃんがいた。