裏ヤン先生に愛されます


「…あいら」

何も言わずに、ただ抱きしめてくれた。
それにほっとした。

「…センセーの辛さ。分かったよ」

失った瞬間の辛さは、何にも変えれない。
その言葉すらも、何て言えばいいのか分からない。

だけど…。

「だけどセンセー。あたしは失ってないんですね…。

親は傍に見えなくなっただけで。
きっと空で見てくれてます」

「…そんなに、無理しなくていいんだよ」

「…ばれました?」

「ばれっばれだ」

「はは…」

センセーの腕の中は温かい。

ずっと離れたくないなんて感じてしまう。

「じゃあ、行くか」

「え?」

「…デート」

「!」

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