裏ヤン先生に愛されます
失って見えたモノ
センセーと一緒に街中を出る。
もう6時を過ぎていたから、センセーは勿論変装をしている。
明らかな不良だ。
「センセー…。普通にめがねだけじゃ駄目だったの?」
「駄目なんだよ。ほら、ごちゃごちゃ言わねぇで、入るぞ」
「カラオケ?」
「歌えばすっきりするだろ?」
「…意外」
カラオケなんて、奏平とですら行った事ないや。
あたしには縁のないとこだと思ってたし。
中に入ると、ドリンクバーやアイス食べ放題などがあった。
とても新鮮に感じた。
個室に入ると、センセーがマイクを渡してきた。
「好きに歌えよ」
「うん!」
歌ったとき、昔から歌うのがスキってコトを思い出した。
「上手だよ、あいら」
センセーが微笑んでくれたのが、何よりも嬉しかった。