裏ヤン先生に愛されます


「センセー、あたし歌が好きなんだ」

「それ、将来の夢?」

「…将来の夢は、好きな人と結婚することなんで。

歌うことは、いつだって出来るんだし」

「ふぅん…」

「え?」

「お前の結婚相手って、誰だろうな」

センセーが寂しそうに呟いた。

あたしはセンセーの表情を見つめた。

「…分かりません。だけど…。あたしは、センセーみたいな人がいい」

切なそうに笑うと、センセーも苦笑した。

「そうだな。俺もあいらみたいな人が良いな」

センセーとの恋は、もう3年を切っている。

後少しのように感じるんだよ。この一瞬の時間だけでもあっという間なんだ。

「センセーはきっと初恋だよ」

「俺はお前と出会えて幸せだ」

これ以上気持ちを言えば、センセーだって許嫁さんとのことを考えちゃう。

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