裏ヤン先生に愛されます
だからこれ以上は、気持ちを言わない。
センセーを困らせないためにも。
「あたしばっか歌うのは、あれだから。センセーもどうぞ」
「俺はいい」
「えー?」
「歌は嫌いなんだよ。聞く分にはいいんだけどな」
センセーはソファにふんぞり返った。
(…これは意地でも歌わない感じだ…)
「…それに、歌なんてイイモノばっかじゃねぇんだ」
少しだけ荒っぽく言ったから、嫌なことでも思い出すんだろうと理解した。
それから深くは咎めなかった。
「んじゃ、あたしの歌聞いてて!」
「おう」
「~♪」
少しずつ、緊張がほぐれてく。
ゆっくりと言葉を1つ1つ言っていく。
「…不思議。歌ってこんなにも綺麗なんだ…」