裏ヤン先生に愛されます
料理を作っている間にセンセーは、ドライヤーで乾かしてくれた。
温かい風のおかげで、風邪を引くこともなかった。
食卓に料理を並べると、センセーの顔が笑顔になった。
「美味そうだな」
「そりゃ、あたし特性のシチューだよ?」
「初めて家、来たときも作ったな」
「あー、そうだったねぇ」
椅子に座ると、センセーは食いつきよく口に運んだ。
「…いつまでも、こういう料理食えたらいいのにな」
「…うん」
“いつまでも”なんて本当はないのに。
本当に、時間なんか気にせずに傍にいれると信じれたらいいのに。
あたしはセンセーに辛い顔を見せないようにした。
そうすれば、きっとお別れだって辛くないんだ。
あたしが我慢すれば、きっと解決するんだから。
―だからセンセーがいなくなるその日まで。
あたしは絶対に泣かないんだから。