裏ヤン先生に愛されます
センセーには、耳打ちをして類と一緒に旅館のテラスに行った。
「何で…?」
「アイツ、俺等に何か隠してる。それは本当だ。
優衣は勿論、気づいていない。
だけどな、俺と奏平はさっきアイツがタバコ吸って、誰かに電話してるのを見たんだよ」
「…そんな。虎安クンが」
「…後、これ」
類がケータイを開いて、1つの記事を見せた。
「え…。16歳の少年が、浮気。そして窃盗…」
「これ、まだ犯人捕まってない。そんで、そいつを見た証言者の顔写真があるんだけど。
ぼやけてるけど、虎安にも似てるんだよ。
まぁ、俺の勘違いかもしんないけど」
「…勘違いじゃないよ?」
あたしと類が振り返ると、虎安クンがいた。
「へぇ。君達、鋭いねぇ」
「てめぇ…、優衣にも近づいた理由があるんだろ…」
「そうだよ、ワザワザこの僕が何で下心で近づくと思ってるんだい?
理由ならちゃんとあるさ」