裏ヤン先生に愛されます
「でも、私もなりたいよ」
甘える声でねだると、奏平の表情も曇る。
相当困っているとあたしは気づき、
「じゃあ、正々堂々と2人で志願しようよ」
あたしの言葉に少し苛立った声で、
「別に負けるのはあいらちゃんよ」
そういって走って行ってしまった。
「…そうなんだ、キミもサッカー部志願?」
「先生」
奏平の声にあたしも視線を向ける。
あの裏表先生がいた。
「別に何だっていいでしょう?」
「わぁ、俺には冷たいんだね。あいらって」
「…知りません。奏平いこ」
あの人に関わったら、きっと恋がばれてしまう。
イケナイ関係になっちゃう。
奏平にばれたら、反対されるに決まってる。
だからなるべく近づいちゃ駄目なんだよね…。