裏ヤン先生に愛されます
「少しだけ、過去のこと聞いてもええ?」
奏平が少しだけ、俯いた。
ずっと何かを聞きたかったように。
あたしが静かに「何?」って聞くと。
「…どして、いじめられてたん?」
その言葉に、昔の思い出が少しずつ思い出してきた。
「…それはね…」
(…それは奏平。あたしが悪いんだ)
きゅっと口元を引き締めた。
少しだけ、手が震えたけど。
そしたら、奏平が握ってくれた。
「無理させて、ごめんな?でもずっと気になっててん」
あの時、助けれなくてごめん。そう謝った奏平だけど、それにどれだけ救われていたか。
傍にいただけで、幸せなんだよ。
「あたしが、安易に喋ったから」
「…え?」
奏平、あたしはあの時荒れてたんだよ。誰にだって、心苦しいときはあったんだよ。