裏ヤン先生に愛されます
教室に戻ると、優衣はそっぽを向いた。
あたしは声をかけずに席に座る。
「あいらー、ちょっといい?」
話しかけられたのは、同じクラスの、
弧純 真希(コジュン マキ)。
「うち、大阪弁やねんけど。あいらの冷たい感じ見てな。気に入ってん」
陽気に話す彼女は、大人な感じがした。
ラベンダーの香りがやんわりする。
「あ、大阪弁構わないけどあたししょーもないよ?」
「しょーもないわけ、ないやろ。
めっちゃ面白い子やんっ」
気さくで明るい子。
あたしとは正反対で言いたいことも何でも言えそう。
「あいらって、桜尾センセーと仲いいん?」
「どして?」
「ちょぉ、喋ってたやん」
彼女の観察力には、正直驚いた。