裏ヤン先生に愛されます


後ろに、虎安クンもいた。

ここにはセンセーと優衣以外がそろった。

「…来週の土曜日、彼女の居場所をどうやって探すの?」

作戦を練ろうと、皆で密かに集まることに。

「…居場所なら特定した」

類がケータイを開いた。

「俺の親父は、市役所の管理庁だ」

「うわ、凄いな」

真希が思わず声を出す。あたしも驚いた。

「彼女の名前は、あいらが教えてくれた。だから簡単だった。

…広川 麻綾で、ソイツは確かに死亡とされていない」

やっぱり、生きていたんだ。そう思った。

(って、何思ってんの…。彼女が生きてなきゃ、センセーが悲しむだけじゃんか)

自分の嫉妬の醜さに、ため息が出そうだった。

「彼女は、記憶喪失の前は明るく、笑顔溢れる人柄だった」

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