裏ヤン先生に愛されます


「正直に言います。私は、桜尾 狼さんと今付き合っています」

その言葉に、顔に動揺が浮かんだ。

「勿論、貴方と結婚するから期限はあります」

「…でも、どうして?私に言うの?」

「記憶喪失なんですよね?」

「…!」

広川さんは、あたしの目の前に座ると頷いた。

「そうなの、私…。それでずっと記憶を思い出そうと頑張ったわ。

だけどどうしても無理で…」

「じゃああたしが今から言うことで、思い出させたらすみません」

口元を引き締めた。彼女のオーラはとても優しい。

だからこそ、裏があるんじゃないかってとても怖かった。

「…桜尾さんは。貴方のことを昔本当に好きでした。

貴方は昔、積極的で明るくて、本当に笑顔が絶えない人だと聴きました」

1つ1つ思い出すたんびに、センセーの思いが分かる。

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