裏ヤン先生に愛されます
「ならさ。その敬語もやめない?」
「あっ…」
「それないほうが、うちは嬉しいよ」
あたしが頷くと満面の笑みを見せてくれた。
「キミって本当に良いお嫁になれるよ」
「家じゃ、1人だから…。親戚の暴力は本当に辛かった」
「あんたそんなんで、よく生きれたね」
「許嫁のカレが傍にいてくれたから」
頬が少しだけ染まる。
「…へぇ、いいじゃんか。そっかぁ。あいらも、か」
「ん?」
「お互い、相手は他にいるのに。自分の付き合っている人に目が行くのよ」
「え…?広川さんは…」
「うち、狼クンより大事な人がいるの。
カレにも言ったわ。許嫁がいるって。そしたらね、貴方と丁度同じ。
3年間の期間にしたのよ」
あたしと広川さんには、共通点があった。
それに驚きつつも、安心感が広がっていった。