裏ヤン先生に愛されます
「…うん」
「何か考えとるやろ。何や、あれか?優衣ちゃんの」
「違う」
「わお、即答やん…。分かりやすいなぁ。帰りちょい寄りたいとこあんねん」
奏平があたしに気を使ってくれるのが分かった。
「…あたし、甘いモン食べたい」
「お!おごったるで」
学校を出て、振り返りたい気持ちを抑えた。
(センセーが本当に…あの不良…?)
疑いたい気持ちと、本当かも知れないっていう気持ちが入り混じる。
(でもあたしには、関係ない…し)
「あいちゃん、手ぇ。握ってええ?」
「え?」
「気難しいカオして、俺の話無視した罰や」
きゅっと手を握られる。恥ずかしくて、離そうとしたけど力が強すぎて何も出来なかった。
「…馬鹿」
奏平には、きっとあたしの心が見透かされているだろう。