裏ヤン先生に愛されます
「…それと、あいらは隙が多いんだ。
それを気をつけてくれ」
「分かったで、センセー。センセーこそ、俺にも頼ってや。
生徒に頼るんがおかしいわけないで。
頼るときは歳なんて関係ないんやから」
「…本当だな。お前の方こそ言えよ」
「分かった」
俺は頭を下げた。
ぎゅっと拳を握り締める。
「後、1年。あいちゃんを幸せにしてくださいね。センセー」
「勿論だ、奏平」
この堅く交わした握手。
なぁ、センセー。嘘はつかんといて。
だからな、あいちゃんを攫うつもりでおるん?
それともあいちゃんは2番目で、元カノさんをずっと思ってるん?
俺には分からんよ。
だから、3年生になってな。あいちゃんを少しでも振り向かせるために、
頑張るって思ってたんや。