裏ヤン先生に愛されます


そうするうちに、俺等の距離は縮まった。

高校3年の教師生活となる直前―…。

今日はあいらが家に来ていなく、明日の準備に忙しそうだった。

ケータイの電話が鳴りそれを受け取ると。

『あの、狼さんのケータイですか?』

それは懐かしい声だった。

「はぁ…」

俺が返事をすると、

『やぁーだ、何も変わってないじゃんか』

すぐにあの声が聞こえた。すぐに状況は読めなかった。

「…え?」

『狼クンでしょ?結婚式の日、改めて決まったみたいよ』

「ちょっと待てよ、お前…」

『えぇ、記憶なんて戻ったわ。それでいいでしょ?』

「いつの間に…」

『ふふ、色々とね。秋の中旬よ』

「秋…?来年じゃ…」

『日が改まったって言ったじゃない。もう』

「…お前、元気にしてたか?」

『当たり前じゃない。それじゃ、また会いましょう。場所は―…』

< 191 / 212 >

この作品をシェア

pagetop