裏ヤン先生に愛されます
先生への風船
それから7ヵ月後。
センセーと麻綾さんの対面結婚式が行われた。
初対面として会うと、センセーは思っている。
だけど麻綾さんは、祝辞のときにしっかりとセンセーに言った。
「狼クン、記憶戻ってるんだよ。全く幸せにしたい人がいるなら、
うちよりもその子、選べば良いのに。
昔から、馬鹿がつくほど真面目なんだから」
「…うるせぇ。だけどこれでいいんだよ、そいつともちゃんと別れの挨拶したんだから」
「悔いはない?」
「ない」
「うちもないよ」
センセー、幸せそう。
あたしの手をそっと、奏平が握った。
「幸せになるんは、次は俺等や」
「うん…、そうだね」
「あ、あいらちゃん!ここにいたんだぁー」
「優衣」
「探したんだよ」