裏ヤン先生に愛されます
「“さん”付けねぇ。ふぅん?純情っぽいね」
「純情ですよ…」
「俺、そういうのマジで好み」
髪は真っ黒のまま。だけど服装はイカつい。
バイクが近くに置いてあった。
(ホンモノの不良って感じ…)
「ホントは俺の事、好きなんだろ?俺は好きだぜ。お前のコト」
「…知りません」
「否定はしないんだ?じゃあ俺の恋人になる?」
ぎゅっと抱きしめられるとすぐに分かった。
あたしより大きな身体。身長も全然違う。
手のひらの大きさだって。体温だって、きっとあたしの方が高い。
「あったけぇな」
「狼さんが、冷たいんですよ」
「なァ、目。つぶれよ」
「…」
言われた通りに目を瞑る。そっと頬に狼さんの指先が触れた。
「ホント、可愛いな。お前―…」
触れた唇がとても冷たくて、長い口付けだった。